プログラム
チュートリアルセッション
チュートリアルセッションは2つのテーマを用意いたしました.多くの方々のご参加をお待ちしております。
2つの講演は同じ時間帯に開催されますので、どちらか一方のテーマをお選びください。なお、途中でもう一方のテーマへ移動されても追加料金はかかりません。当日参加も受け付けますが、あらかじめ参加費を納めていただく場合は、大幅な割引が受けられます。
参加費については、「大会概要」をご覧ください。
- 日時:2013年9月8日(日) 13:00〜16:00
- 場所:大阪大学豊中キャンパス 文法経研究講義棟4階 文41番講義室,法42番講義室
- 受付開始:12:30
テーマA:統計的グラフィカルモデルの展開
講 演 者:原 尚幸 先生 (新潟大学)
時 間:13:00~16:00(3時間)
開催趣旨:
このセミナーでは、近年標準的な統計手法となりつつあるグラフィカルモデルにおける統計的推測問題の基本的な事柄を解説するとともに、近年の展開を概観する。グラフィカルモデルは、統計学、機械学習、人工知能などの異なるバックグラウンドで発展してきたモデルであり、さまざまな側面を持つ。
本セミナーでは、主として統計学・多変量解析の視点に立ち、グラフィカルモデルの推測問題を考察していく。まず前半部では、Lauritzen (1996) の教科書にしたがって,最も基本的なモデルである無向グラフのグラフィカルモデルを導入し、その分布理論、推測理論、最尤推定量の計算アルゴリズムなどに関連する話題について、関連するグラフ理論も含めて解説をおこなう。
後半部では、無向グラフのモデルから有向グラフのモデル、chain graphのモデルなどへ一般化や、計算代数統計学、高次元統計学などとの接点など、近年におけるグラフィカルモデル研究の展開をいくつか紹介する。
テーマB:「ビッグデータと統計解析」
講 演 者:水田 正弘 先生(北海道大学)、南 弘征 先生(北海道大学)
時 間:13:00~16:00(3時間)
開催趣旨:
本チュートリアルでは、近年、注目されているビッグデータに関する状況を概観するとともに、ビッグデータの活用に有効な統計的手法について紹介する。ビッグデータは、単に「大きなデータ」ではなく、「従来のデータベースシステムの処理能力を超えたデータで、とても大きく、すばやく変化し、通常のデータベースのフレームに合わないデータ」と位置づけることが多い。センサー技術やストレージ技術をはじめとする情報技術の発展によりビッグデータを活用できる時代となり、ビジネスをはじめとする多くの分野で、実際的な成果が得られている。
しかし、統計学の立場から考えると単純な手法しか利用されていないことが多い。せっかく収集したビッグデータから価値のある情報を導き、適切な判断を下すには、統計学の分野で成熟した経験や技術が有効である。
本テーマでは、前半で、ビッグデータの定義と現状について紹介する。後半では、実際のシステムやツールについて述べる。ビッグデータはバズワード(buzzword:説得力のある言葉のように見えて、実は定義や意味があいまいなキーワード)であり、用語としては消えてゆくかもしれない。しかし、統計科学においてビッグデータ(といわれているデータ)の解析の意義は変わらないことを強調したい。