市民講演会
下記の2つのテーマで市民講演会を開催いたします。参加費は無料です。
- 日 時: 9月9日(日)16:30〜18:00
- 会 場: かでる2・7 820研修室
- 受付開始: 15:30
- テーマ1: 「統計検定:出題傾向と結果分析」
- 講 演 者: 岩崎 学 先生・吉田清隆 先生(成蹊大学)
- 時 間: 16:30〜17:15(45分)
- 概 要: 2011年11月20日(日)、第1回目の「統計検定」が、2級、3級、4級、統計調査士、専門統計調査士の5種類の試験種目で実施されました。統計検定は、昨今国際的にも益々その重要性を高めている「データに基づいて客観的に判断し、科学的に問題解決する能力」を、中高生,大学生および職業人の各レベルに応じて評価する全国統一試験です。また、検定を通じて、中学や高校および大学で何をどう学んだらよいかのカリキュラムの指針を与えることも目的としています。
本講演では、2011年11月の検定および2012年5月実施の英国王立統計学会 (RSS) との共同認定である国際資格試験の結果を分析し、現在の日本における「統計力」の現在を探ります。またそれを踏まえ、今後どのような力を身につける必要があるか、あるいは逆にどういう教育を行わなければならないのかについても、幅広くかつ分かりやすく解説します。2012年11月18日(日)には、上で述べた5種類に加え「統計検定1級」も実施されますので、これらの試験に対する対策もお話しします。
- テーマ2: 「新薬の開発に統計学はどのように利用されているのか」
- 講 演 者: 大森 崇 先生(同志社大学)、安藤友紀 先生(医薬品医療機器総合機構)
- 時 間: 17:15〜18:00(45分)
- 概 要: 医薬品は私達が病気になったときに、その治療のために用いられる化学物質である。別の言い方をすると、化学物質の中で治療に用いられるもの、ともいえる。医薬品を使用する際に期待することは、それを服用することによる良い作用としての効果である。このため新たに医薬品が開発される場合、その化学物質がどのような効果を持つのか評価することが必要となる。
高度な科学技術が発達した現在であっても、必ずしも医薬品の服用により誰もがみな同じ反応を得られるわけではない。複雑な生体に対して、多くの要因の影響により、医薬品としての化学物質がうまく働く場合もあり、そうでない場合もある。また、その効果を実感できない場合があることも医薬品の特徴の一つであろう。
そうした化学物質の評価を行うためには、患者の集団から得られたデータを利用し、それに対して統計学的な考え方を適切に用いることが必要になる。現在、新たに開発される医薬品の評価に統計学の利用は欠かせないものになっている。この講演では、新しい医薬品が開発される際にどのように統計学が利用されているのかについてお話したい。