プログラム
チュートリアルセッション
今年度は遺伝統計学についてチュートリアルセッションを開催する運びとなりました。近年注目を集めている分野ですので,多くの参加者のご興味を引くかと思います。奮ってご参加ください。
- 日 時:2017年9月3日(日)13:00~16:00(休憩時間を含む)
- 場 所:南山大学 名古屋キャンパス S21(S棟S21教室)
- テーマ:遺伝統計学入門
- 講演者:岡田 随象(大阪大学)
概要:
遺伝統計学(statistical genetics)は,遺伝情報と形質情報の関わりを統計学の観点から研究する学問分野であり,一次的に処理されたゲノム情報を適切に解釈し,社会還元するためのデータ解析学問として近年注目されています。大規模ヒト疾患ゲノム解析により同定された数多くの疾患感受性遺伝子の情報を,遺伝統計解析手法を用いて多彩な生物学・医学データベースと分野横断的に統合することにより,新たな疾患病態の解明や,疾患バイオマーカーの同定,新規ゲノム創薬,等に貢献できると期待されています。本チュートリアルセッションでは,遺伝統計学の基礎的な理論,ゲノムデータ解析の入門的な内容について解説する予定です。
市民講演会
昨年12月には文部科学省による「数理及びデータサイエンスに係る教育強化」の拠点校選定がなされ,本年4月には滋賀大学にデータサイエンス学部が開設されるなど,我が国でのデータサイエンス教育には大きな動きがありました。そこで今回の市民講演会では,著書「統計学が最強の学問である」でおなじみの西内啓氏をお招きし,「統計学で考える少子高齢化の日本社会」と題してご講演いただくことにしました。奮ってご参加いただければと思います。
- 日 時:2017年9月3日(日)16:30~18:00
- 会 場:南山大学 名古屋キャンパス S21(S棟S21教室)
- テーマ:統計学で考える少子高齢化の日本社会
- 講 演 者:西内 啓(株式会社データビークル)
概要:
「人口」「平均寿命」「出生率」などなど,今日私たちが日常的に使う数字の多くは,ほんの400年前には正確に捉える方法が知られていなかったばかりか,正確に捉えようという考えすら存在していませんでした。
400年前にはなくて,現代の社会には存在する,その違いを生み出したのは統計学の進歩であり,こうした数字から「少子高齢化」「人口減少」という社会問題が指摘されるようになってからずいぶんと時間が経ちました。しかし,その解決策について答えられる人はどれだけいるでしょうか?市民や行政,有識者の間からもあきらめ半分「これから経済は衰退していくのだからみんなで清貧に生きよう」といった考え方がしばしば示されます。
しかし,統計学的なエビデンスに基づけば少子高齢化の問題の解決策は既に示されており,「みんなで清貧に生きる」必要などありません。本講演ではこうした最新の研究成果を紹介しながら,これからの日本の進むべき道のりを考えていきたいと思います。