チュートリアルセッション
統計関連学会連合大会の各セッション(9月6日−8日)開始に先立ち、
9月5日(日)13時から16時まで、
早稲田大学早稲田キャンパス7号館において
恒例のチュートリアル・セッション(有料)を、次の2テーマ開催します。聴講希望者はいずれかのチュートリアルを選んで登録申し込みをして下さい。今回は、標本調査法とベイズ理論という、人間・社会のデータ科学構築にとって重要な方法と理論とを1テーマずつ企画しましたので、奮ってご参加ください。
参加費は、資料代金込みで、
統計関連学会会員・学生:3000円(事前割引あり)
非会員:6000円(事前割引あり)
となっています。
チュートリアル1
- 題名: 「標本調査法への統一的なアプローチと新展開」
- 講師: 土屋隆裕(統計数理研究所)・星野崇宏(名古屋大学)
- 内容:
近年の社会科学における実証志向の高まりや、2009年に施行された新統計法によって行政機関による調査の匿名データが公開され、学術研究での利用が進みつつあるなど、標本調査法の学術的・社会的重要性は国内においても増しつつある。
本チュートリアルでは標本調査法の基礎を、一般化回帰推定を含むキャリブレーション推定などの新しい統一的な視点から説明する。さらにその一部についてはRを用いて解析法の紹介を行う。
また、最近の標本調査法における重要なトピックとして、調査環境の悪化に伴って深刻化する回収率の低下が挙げられる。そこで、不在や回答拒否などによる無回答に対する対処法として事後的な調整法やマルチモード調査などについて近年行われている研究動向を紹介する。
チュートリアル2
- 題名: 「ベイズ理論の現在」
- 講師: 駒木文保(東京大学)
- 内容:
ベイズ統計の方法は、最近さまざま分野で利用され注目を集めている。一方で、ベイズ統計の理論的な側面について(統計家以外には)十分に理解されていない場合がしばしばある。
本チュートリアルでは、ベイズ理論の古典的ではあるが本質的と考えられる結果と最近の発展について話題を絞り、初学者向けに説明する。
具体的には、統計的推測理論におけるベイズ理論の基礎と最近の発展、モデル選択におけるベイズ法の問題点とリンドレーのパラドックスとの関係等について扱う。なお、ベイズ統計の計算統計学的な側面にはほとんど触れない。
なお、チュートリアル・セッション当日は16時30分より18時まで、早稲田大学井深ホールにて、チュートリアルの内容とも関わりのある市民講演会「統計で社会・経済の深層を探る」(参加費無料)も開催されますので、チュートリアル終了後、聴講頂ければ幸甚です。