企画セッション
企画セッションは14のテーマが行われます。
テーマ名とオーガナイザはつぎの通りです。
各テーマの目的等についてはWebをご覧ください。
企画セッションの運営はオーガナイザに一任していますので,
企画セッションで講演される方は直接オーガナイザにお問い合わせ下さい。
-
テーマ: 「統計科学とマーケティング」
オーガナイザ: 照井伸彦 (東北大学)
目的:
POSデータや消費者パネルデータなど企業が有する情報は情報化の進展と共に急激に増大しており,
これらの大規模データからマネジメントに有用な情報を取り出してマーケティングの意思決定することが経営競争戦略上の急務とされている。
他方,マーケティング研究および実務の世界では,標本抽出法に代表される市場調査などのこれまでの統計学との古い関わり方をはるかに超えて,
パネルデータの計量経済モデル,多変量解析の各種モデル,時系列モデル,MCMCを用いたベイズ統計分析などが盛んに適用され,
統計科学の有用性を発揮している。
これら大規模データをマネジメントのために解析する統計手法の開発と応用は,統計学にとって有望な発展領域であり,
本セッションの研究報告と討論を通じて統計学の発展を目指す。
-
テーマ: 「日本統計学会75周年記念講演 − 21世紀の知識創造社会を支える統計科学の現状と展望」
オーガナイザ: 山本拓(一橋大学)
目的:
日本統計学会創立75周年を記念し,上記のセッション副題にに即した趣旨で,統計理論ならびに重要な応用分野について,
当該分野の有力な研究者に,それぞれの分野からの現状と展望を講演していただく。
-
テーマ: 「臨床試験における Adaptive designs の活用」
オーガナイザ: 越水孝 (ヤンセンファーマ(株)),矢島勉 (持田製薬(株))
目的:
臨床試験の成功率を向上するために,Adaptive designs の活用が考えられる。
そのために,Adaptive designs の知識を得る機会を意識的に増やしていくことが重要である。
国内外の参加者より知識を得ることにより,産官学が理解を深めておく必要ある。
-
テーマ: 「インターナショナル・セッション1 (パネルデータ解析)」
オーガナイザ: Shin, D.W. (Ewha University),Wang, J. (Chiba University)
目的:
韓国から計量経済分野の専門家を迎えた企画セッションであり,
経済学, 社会学, 政治学などの社会科学分野の実証研究においてしばしば使用されてきたパネルデータについて,
日本の家計パネルデータから見た消費行動における実証分析から,
パネルデータを用いた回帰分析を行うときに重要となる見せかけの回帰という重要な理論的問題などについて議論の場を提供する。
見せかけの回帰は時系列の非定常性に起因することから, 時系列の定常性の検定が重要な問題となる。
単位根検定は, 時系列の定常性を検定するための重要な手法であり,
Shin 教授は多変量時系列(パネルデータ)における単位根検定(パネル単位根検定)について最新の研究成果を紹介される予定である。
日韓両国のこの分野の専門家の更なる交流のきっかけとなることを期待する。
-
テーマ: 「インターナショナル・セッション2 (韓国と日本における標本調査)」
オーガナイザ: Shin, D.W. (Ewha University),Wang, J. (Chiba University)
目的:
韓国から標本調査法に関する専門家を迎えた企画セッションである。
本セッションの目的は二つある。
第1 は標本調査法の分野における最近の話題,特に欠測データへの対応に関する話題について,
異なる二つのアプローチに関する講演を得て,議論を深めることである。
もう一つの目的は,応用面に配慮したもので,近年の日本の社会科学における東アジア社会への関心の高まりを反映して,
韓国と日本での社会調査の国際比較が行われていることを紹介し,特に標本設計に関する両国の調査環境の違いについて議論する。
これらの議論を通じて標本調査法や統計調査に関連する不完全データの分野における日韓交流について,
今後の展望を得ることも本セッションに期待される効果である。
-
テーマ: 「統計データの可視化」
オーガナイザ: 中野純司(統計数理研究所)
目的:
統計データの可視化(その静的なものとしての統計グラフ)はデータ解析における重要な手法である。
棒グラフ,円グラフ,線グラフなどは初等教育で,ヒストグラム,散布図などは基本統計学で教育され,また実際に新聞などでもよく利用されている。
EDA(探索的データ解析)では箱ひげ図などが考案され,積極的に利用されている。
可視化は人間にとってもっともわかりやすい統計学のインタフェースと言える。
現代では計算機の進歩によって,これらのグラフを非常に容易に美しく描くことが可能になっている。
そしてこれらを紙の上に描いていた時代には不可能であったような,
対話的・動的な機能や複雑な計算の結果を利用する機能も実現されてきた。
計算機の進歩はさらに,解析すべきデータ数の巨大化,構造の複雑化をも引き起こしているが,
そのような変化に対応した新しいグラフ,または可視化の手法が必要とされている。
本セッションでは,計算機を利用した新しい統計データの可視化に関する発表を行い,その可能性を探りたい。
-
テーマ: 「アレイデータ解析周辺に見る新しい視点」
オーガナイザ: 井元清哉(東大医科学研究所),樋口知之(統計数理研究所)
目的:
DNA アレイデータ(cDNA,oligo,exon,マクロ など)やprotein アレイデータの解析現場では,
統計的手法が各解析プロセスにおいて必須である。
こられのアレイデータの特徴として,
(1) ケース数と特徴量の次元が著しく非対称なこと
(2) 計測量が,興味ある対象の変化を高度に捨象した量であること
(3)計測ノイズを含めた諸々のノイズの影響が大きいこと
等があげられる。
これらの特徴に起因する諸問題を克服しつつ,解析結果を新たな知識発見へつなげていくには,
統計科学や機械学習の諸先端的な手法が必要とされる。
提案するセッションでは,
これまで3年間引き続いて行ってきた企画セッション“DNAアレイデータ解析に関する統計的諸問題”および“アレイデータ解析周辺にみる新しい統計的視点”をさらに発展させ,
新たな諸問題にどのようにとりくんでいくべきかを議論し,
多くの統計科学研究者の英知を集め,次世代のバイオ情報科学の一つの柱となるきっかけをつくる。
-
テーマ: 「ファイナンスの計量経済分析」
オーガナイザ: 谷崎久志(神戸大学),西山慶彦 (京都大学)
目的:
ファイナンスの分野は近年盛んに研究が行われ,目覚しい発展が見られる。
コンピュータの発達につれて様々なcomputer-intensiveな手法を用いた実証研究も行われるようになってきた。
このセッションでは特に計量経済学に焦点を当て,理論・実証の両面の研究から構成される。
具体的には,時系列分析,ベイズ統計,ノンパラメトリック統計などを用いた実証研究への貢献も期待されるであろう。
さらに,本年度は日本統計学会「計量経済・計量ファイナンス分科会」(2002年12月発足,2006年12月終了予定)の最終年度に当たり,
これまでの研究成果の報告と今後の計量ファイナンスの分野の発展につながるような研究報告の場にすることを目的とする。
-
テーマ: 「統計行政の将来を考える」
オーガナイザ: 西郷浩(早稲田大学)
目的:
転換点を迎えている統計行政の将来について広い視野から議論する。
前回の連合大会における企画セッション「政府統計制度の再構築に向けて」では,政府統計の民間開放を中心に議論した。
今回は,それに限らず,より広い観点からの議論の場を提供することを目標とする。
研究者や統計実務家,ユーザーから基調報告者・討論者を招き,フロアを交えた討論もふくめてセッションを構成する。
-
テーマ: 「統計教育 − 統計的思考力育成に向けて」
オーガナイザ: 藤井良宜(宮崎大学)
目的:
現在,いろいろな調査において,社会人として必要な能力の1 つとして,統計教育の重要性が指摘されている。
社会人として必要な統計を考える場合には,統計的に考える力(思考力)が特に重視される。
そこで,本セッションでは,海外の研究者や国内の統計教育の研究者を招待し,
「統計的思考力を育成するための教育方法の改善」に関する現在の動向を報告していただくとともに,
教育方法の改善に取り組んでいる実践報告を行っていただく。
これらが,今後の統計教育の方法改善に寄与することを期待する。
-
テーマ: 「統計関連学会連合理事会企画 − 生体・環境リスク評価」
オーガナイザー: 広津千尋(明星大学)
目的:
統計科学は全分野に関わる極めて学際的色彩の強い学問です。
統計的方法が様々な実質科学の問題解析に応用されるのみならず,その逆に実質科学の問題が新たな統計的方法を産み出すという関係にもあります。
ここでは生体の関わる三つの興味ある実質科学的問題(BSE関連,鳥インフルエンザ関連,鯨資源関連)を取り上げ,統計科学との関わりを論じたいと思います。
-
テーマ: 「計量生物学会奨励賞受賞者講演」
オーガナイザ: 上坂浩之(日本イーライリリー)
目的:
計量生物学の若手研究者の優れた研究成果に対して,その成果についての講演の機会を提供することにより更なる研究の発展を奨励するとともに,
計量生物学会会員,及び計量生物学に関心を抱く方々の研究を刺激し,
また,広く統計学の研究者あるいは利用者の方々に計量生物学への関心を高めていただくことを目的として,
2006年の奨励賞受賞者に,受賞対象となった論文を中心に研究の紹介をしていただく。
日本計量生物学会は,研究者へ刺激を与え, 若い研究者の成長を促進し,
また研究環境の開拓と 研究の発展・拡大を期待して学会賞,功労賞,奨励賞の3賞を2003年に創設した。
奨励賞は日本計量生物学会誌または Biometrics 誌,
または Journal of Agricultural, Biological, and Environmental Statistics 誌に掲載された論文の著者で40歳未満の本学会員または学生会員から選出される。
-
テーマ: 「生物統計学の社会的貢献: 四半世紀の経験と今後の展望」
オーガナイザ: 上坂浩之(日本イーライリリー)
目的:
日本計量生物学会が発足して25周年を迎えたことを記念して,
日本計量生物学会が生物統計学の発展に果たした役割を振り返るとともに,
生物統計の現在の課題ならびに今後の発展の方向性を展望する。
生物統計のいくつかの主要な領域から,当該領域で中心的な活動をされている方々に,
各領域における振り返り,課題ならびに展望を講演していただき,
統計関連の研究者に生物統計学への関心を高めていただく契機を提供する。
-
テーマ: 「人口センサスの方法転換問題」
オーガナイザ: 濱砂敬郎(九州大学)
目的:
昨年の国勢調査は,危機的な状況に陥ったが,欧米諸国では,そのような事態を1980年〜1990年代に経験し,
センサス革命と形容される様な変革が,2010年世界人口センサスに向けて,進められている。
各国によって,方向性は異なるが,各国の方向性に関する報告を設定し,各国の比較考察から,
わが国の国勢調査の改善方向を模索し,現在進められている統計改革に寄与する意義は大きい。