企画委員会報告

                                                               企画委員会委員長  柴田里程

 

関係各位のご尽力と,開催校富士大学の全教職員をあげてのサポートにより,延べ657名の参加者を得て盛況のうちに終了できました.今後の参考までに目視で各会場の出席者概数を調べたのが以下の表です.数の多いセッションが重要ということではありませんので,そのおつもりでご覧ください.

 

 

A

B

C

D

E

F

G

2004/9/3チュートリアル

 

 

 

 

 

250

2004/9/3シンポジウム

 

 

 

 

 

150

2004/9/3市民講演会

 

 

 

 

 

160

2004/9/4朝コンペ

40

25

55

 

 

 

 

2004/9/4午前

35

35

35

50

25

35

120

2004/9/4午後I

60

20

36

55

42

35

120

2004/9/4午後II

45

 

90

40

80

45

50

2004/9/5朝コンペ

70

36

45

 

 

 

 

2004/9/5午前

45

30

80

80

35

55

60

2004/9/5午後I

25

35

55

45

55

26

130

2004/9/5午後II

30

30

45

35

50

20

110

2004/9/6午前

60

30

70

50

40

40

40

2004/9/6午後

40

30

20

20

50

20

70

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以下は,今年度の企画を通じて明らかとなったさまざまな課題です.今後精力的に検討を進めていただければと思います.

また,会員各位から積極的にご意見をお寄せいただくことも重要かと考えます.

 

1.       報告集の事前公開. これまで,座長に限って事前に閲覧できるよう取り計らってきましたが,講演数の増加に伴って,座長数も増加し郵送の手間が大変になりましたので,今年度は,座長に限って Web ページ経由で事前閲覧できるようにいたしました.一方Q&A にもありますように,座長以外の参加者からの事前閲覧の要望もありますので,参加を事前登録した会員なら事前閲覧できるようにすることも検討してもよいかもしれません.もちろん,事前閲覧されたくない,あるいは研究成果の公表の日時が重要と思われる会員もおられると思いますので,会員の意見を幅広く伺う必要はあると思います.

2.       報告集のCD-ROM 化. 報告集はすでに PDF 化されておりますので,CD-ROM を作成するのに手間はかかりません.検索機能をつけるのが厄介かもしれませんが,検討に値すると思われます.

3.       報告集原稿受領書の発行. プログラムの編成と報告集の作成がもっとも手間のかかる仕事ですが,今後はこれを企画委員会に一元化し,受領書の郵送など一元的に処理する体制を確立しないと,自分の原稿がきちんと掲載されるのかどうか心配になる会員もおられるのではないでしょうか.今年度は,講演申し込みは比較的締め切りを守っていただけましたが,報告集に関してはまだまだ行儀の悪い会員がおられたのも事実です.

4.       報告集の印刷上の問題点.今年度は,経費節約のため,印刷所を変えました.その結果,60 万円近く節減できたのですが,いくつかのミスも生まれました.校正の体制をもう少し固めておく必要があったかもしれません.

()目次の字間が乱れていた箇所がいくつかある.

()不鮮明な広告があった

()発行元の明示が抜けていた

5.       コンペティション. 今年で2回目になるコンペティションですが,運営上の問題がいくつか残っています.

()今年はやむを得ずパラレルセッションとしましたが,審査に参加するにはひとつのセッションにとどまらざるを得ないという問題がありました.

()共同研究者について.以下のQ&Aにもありますが,連名の報告は認めないという規定としたほうがよいというご意見もあります.この点に関しては,企画委員会でもずいぶん議論したのですが,「院生の場合は,なんらかの形で指導教員との共同研究の形をとることが多い.これを無理に制限すれば,形だけ単名の報告となりかねない.かえってこのほうが望ましくない」という結論で今のような形になっています.今年の報告をみますと,単名の報告でも,実際は連名としたほうが自然ではないかと思われる報告もありましたし,逆に審査対象者が主たる研究者であったのかどうか疑問の報告もありました.また,審査対象者以外の報告者は発言を控えていただくことを徹底する必要も感じました.

()9段階評点について. これを 5 段階程度にし,ウエイトを事前公開したらという提案もありました.いまのシステムは,基本的には A, B, C の三段階でそれにプラス,マイナスをつけるというシステムですが,改善の余地があるかもしれません.

()分野別にわけたり,投票方式ではなく,審査委員会方式にしたほうがよいというご提案もありますが,連合大会の趣旨と会員の参加意識を高めるという観点からはいまのように,分野はわけず,投票結果にもとづく授賞という方式のメリットは十分あるのではないかと思っています.記名式の投票ということもあり,投票結果をみると,みなさんよく総合的に判断してくださっているというのが率直な印象です.

6.       企画セッション. 昨年度から公募形式の企画セッションを続けていますが,そろそろ企画の事後評価も行う必要があるかも知れません.どの会員にも企画を提案し実施する権利が確保されていることは重要ですが,一方でマンネリになったり仲間内だけの企画セッションになったりする例がないとはいえません.企画した会員へのフィードバックとして,コンペティションと同じように出席者による評価を投票していただくことあたりからはじめたらどうでしょう.

7.       名前のローマ字表記. これはプログラム編成上の問題でもありますが,海外の方の名前をどう記述するか,あらかじめ雛形をつくっておく必要があると思います.

8.       参加費. これは企画委員会の権限ではありませんが,いくつかのご提案を伺っていますので,会員各位のご参考までに記しておきます.

()懇親会費も参加費に含める.これは昨年度の大会から議論に上っていたことですが,懇親会に全員参加するという前提で,参加費に懇親会費も含めてしまえば,結果的に懇親会費をかなり安く抑えられ,懇親会の意義も高まるかのではないかというアイディアです.最近では,懇親会に参加する若い参加者も増えているようですので,会費が安く抑えられるなら一石二鳥ではないかと思います.

()参加費を2種類に分ける.最近では,学会参加費を所属機関あるいはファンドで負担してもらえることも多くなりました.参加費を個人負担の場合と機関負担の場合では違えたらどうかという案です.もちろん, 懇親会費と参加費を一緒に徴収する場合は,領収書を別にするといった配慮は必要になると思いますが.

9.       エクスカーション. 国際会議などでは,開催期間の中間あたりで半日ぐらいのエクスカーションが組まれ,参加者の親睦におおいに役立っていると思いますが,いまのスケジュールではとても不可能です.もう一日会期を延長できれば,コンペティションの時間も含め,もう少し余裕のあるプログラム編成ができるのではないかと思います.

10.    写真撮影. ホームページで公開されている集合写真をご覧になればお分かりのように,集合写真撮影に参加される方は年々減少しています.昨年度から写真屋さんによる撮影の代わりにデジタルカメラによる撮影に簡素化させていただいておりますが,それでも参加者への呼びかけ,ひな壇の用意など,開催校の負担はかなりのものがあります.また,参加されない方にとっては手持ち無沙汰の時間となるといった問題もあります.そろそろ集合写真撮影は廃止し,かわりに開催期間中のスナップ写真を充実されるといった方向を検討してもよいのではないかと思います.

11.    連合大会の開催形式について. これまでの連合大会では,参加学会の合同大会ではなく連合大会であるという考えから,なるべく各学会の独自性はださないという方針で,企画,運営してきましたが,学会独自のセッションを企画したい,あるいは,順番に各学会に全面的に任せた企画と運営にしたらどうかという提案もあります.連合が正式に発足したら,このあたりから十分議論を重ねて,実のある連合大会を組織していっていただきたいと思います.

 

以下は,大会期間中にお寄せいただいたアンケートのコメント欄に書かれたご意見,ご要望をもとに Q&A 形式にまとめたものです.お答えのほうは,小生の個人的な意見も含まれているかもしれませんので.そのつもりでご一読いただければ幸いです.

 

 

「企画、プログラム」

 

Q. 座長を、幾つかのセッションでは既存のグループを越えて、より適切な方にお願いすると面白い。

A. これだけセッション数が多くなると,一週間ぐらいの限られた期間に,座長をお願いし,時間の重複がないかどうかチェックするだけで精一杯です.ご趣旨はもっともなので,来年度は,すこしでもご意見を反映した企画をしていただければと願います.

 

Q. オーガナイザーと座長と講演者が同じである場合、少しもったいない(大変でもある)と思う。それぞれ別の方であっても良いのではないか。

A. おっしゃるとおりですが,企画セッションに関してはすべてオーガナイザーにお任せしましたので,今後,オーガナイザーになる方にそのようにお願いする必要があるかもしれません.

 

Q. 同じテーマの企画セッションを数年続けられる時には、同じ切り口に成らぬように新しいオーガナイザーとする事を考えてみても良い。

A.これは,現在の公募形式の問題点の一つでもあります.しかしいっぽう,どの会員にも企画セッションをオーガナイズする権利が保証されていることも重要であると考えます.

 

Q. パネルセッションを設けた方がより効果的である企画セッションも有ったように感じた。

A. 今年度は,特別講演やパネルセッションが提案されなかったので,そのまま企画を進行させましたが,今後の課題ではあると思います.

 

Q. 民間企業の実務家として講演がとても面白かった。

A.次第に実務家の方の参加が増えてきているのは学会として喜ばしいことと思います.

 

Q. 非会員が個人負担するには参加費がやや高い。

A. これは,いずれかの学会の会員になっていただくため,意識的に参加費を高く設定してあるからです.この機会にぜひ会員になることをおすすめします.

 

Q.コンペテイションでは教授との連名論文は外すべきである。

A.この点については,企画委員会でもずいぶん議論しました.連名論文を外すことにすると,共同研究にもかかわらず,報告は単一の名前でということになりかねません.院生の場合,本人だけでなく指導教員がなんらかの形で関与しているのが普通ですから,連名でも問題はない,かえって連名でないほうが不自然という場合もあるのではないか,質問に対する受け答えから,どこまでが本人の仕事なのかある程度は推測できるだろうというのがわれわれの結論でした.コンペティションに関しては,これ以外にもさまざまな問題がありますが,若手の研究を奨励し,よりよいプレゼンテーションをするよう努力してもらうという効果はあるのではないかと思います.

 

Q.コンペテイションの開始時間が早い。

A.講演数の割りに時間が限られていますので,朝の早い時間をコンペティションに割り当てるのは,やむをえないのではないかと思います.

 

Q. 並行セッションの作り方に問題あり。経済・社会系の並行セッションが多く不満を持つ人が多い様である。一方で組み合わせが悪くてポッカリと穴が空くところが多かった。此れなら並行しないでほしい。数理と経済とを並行してほしい。

A. プログラム作成でもっとも苦労するのがこの点ですが,やはりすべての方に完全に満足していただくことは不可能です.せっかくの連合大会ですから,穴の開いた時間には自分の専門外の講演も聴いてみていただければよかったのではないかと思います.数理と経済を平行してほしいというご意見については,なにか連合大会の趣旨を誤解していらっしゃるのではと危惧します.統計関連の研究者が集まりさまざまな交流を繰り広げるのが連合大会の意義だと思いますので,これまでの分類にこだわっていてはせっかくの連合大会が生きてこないのではないでしょうか.

 

Q. どの発表がどの学会に属しているのかが分かると良い。

A. 上のご質問にも関連しますが,合同大会ではなく連合大会であることの意義をご理解いただきたいと思います.学会の壁を乗り越えて交流を計るという趣旨からは,属する学会を明確にすることが必ずしもよいとは思いません.一方で,各学会の独自性が失われるという危惧もありますが,それは連合大会とは別の会を各学会で独自に開催していただことによって目的を達成したらよいのではと考えます.

 

Q. 統計教育問題が有ったが、会期中に教育要素のあるチュートリアルを設けると良い。

A. 同感です.教育問題は議論するだけではすみません.すべからく実践が伴わなければ絵に描いた餅といわれても仕方ありません.その意味では,教育のチュートリアル,会員のスキル向上のためのチュートリアルなど,チュートリアルの重要性はますます高まっているのだと思います.

 

Q. 講演報告集を希望者(学会員)には事前に送付してほしい。

A. 参加しない会員にも送付することは,参加費のかなりの部分が印刷費であることも考えると困難であると思いますが,あらかじめ参加登録した方が,Web 経由でダウンロードできるようにすることや,CD-ROM 化などさまざまな方法を検討する価値はあると思います.

 

Q. プログラムの頁数が多すぎる。コンパクトにして全体が見やすい様にしてほしい。

A. 講演数が多くなったことは喜ばしいことですが,おっしゃる通り,ページ数が多くなりすぎているきらいはあります.ただ,フォントサイズをこれ以上小さくすることも問題があると思いますので,報告集と同様検索機能をつけてCD-ROM 化するなどの方策も考える必要があるかも知れません

 

Q. 6日()のセッションは午前に続けて、午前中に終わってほしかった。

A. 確かにそのような組み立ても可能だったかも知れません.いずれにしても最終日の扱いはいつも頭を悩ませる点です.

 

Q. 企画セッションを並行セッションにするのは困る。企画の興味あるテーマが重なってします。

A. これは企画セッションにかぎらず,一般講演についてもいえることです.なるべく興味が重ならないような配置とするよう努力しましたが,参加者全員の満足を得ることは困難であることをご理解いただければ幸いです.

 

Q. 最終日に早く帰れるのは良かった。

A. 最終日も魅力的なプログラムで,かつ遠方の方もその日の内に帰ることができるよう苦心しましたが,そういっていただけると嬉しく思います.

 

「開催校」 

 

Q. バスの時間が不適切であった。20分かかると分かっている北上発が8:00と9:00に出る。 早すぎ、遅すぎです。その為1コマ目を聞き逃しただけならまだしも、さらにダラダラして、もう1コマを途中からでした。此れが 今回最大にして最悪の不満でした。プログラムを作った時点で分かりそうなものだと思います。

A. これらのサービスはあくまでも公共バスの補完の意味で運行を計画しました.公共バスも併せて利用していただければよかったのではないかと思います.

 

Q. 外部の音が有るので、マイクのある会場、無い会場いずれも聞き取れなかった。コメントの質問にはマイクが無かったので聞き取りにくかった。

A. 会場がそれほど大きくないのでフロアのマイクを考えませんでした.また G 会場は無線が2バンドしか取れないため,2本のマイクしか利用できなかったのは残念でした.

 

Q. 会場への交通の便も悪く、高い参加費を納めているのにお茶のサービス位してほしい。

A. これに関しては,いろいろなご意見があると思いますが,実行委員会ならびに富士大学が懸命にサポートしてくださったこともぜひご理解ください.なお,今回はお茶の予算も組み込まれていませんでしたし,お湯の準備をするのは開催校に多大の負担がかかることもご理解ください.現状ではベンディングマシンで満足いただくしかありません.

 

Q. 館内放送がうるさかったので、改善してほしい。

A. 館内放送は,重要な伝達事項に限っていたとおもいますが.

 

Q. 各会場において、部屋の広さに対応したスクリーン(Power point用)を準備してあると助かる。

A. おっしゃる通り小さすぎたかもしれません.なにぶんすべて借り物で固定式ではなかったためです.

 

Q. JR駅から、大会場所までのシャトルバスの情報をWebで事前に公開してほしい。

A. これは8月から公開しておりました.

 

Q. 各会場が広くて良かった。

A. それはよかったです.

 

Q. 全般的に開催校のホスピタリテイが素晴らしいの一言です。

A. 同感です.

 

Q. 写真撮影の直前にアナウンスが有った方が良かった。

A. アナウンスは何回かあったと思います.

 

 

「開催場所の希望」

 

Q. 交通の便の良いところが良い

A. 学会は,人間的なふれあいも大切な要素ですから,効率だけを追求するのは考え物だと思います.

 

Q. 首都圏での開催を希望する。毎年東京固定の方が良い。大都市圏から短時間で移動できるところが良い

A. 一極集中がかならずしもいいとは思いません.特に首都圏以外在住の会員に対して不公平であると思います.