来嶋秀治 (東大・情報理工・院)
このたび、統計関連学会連合大会優秀報告賞を受賞できたこと大変光栄に思います。これまでに多くのご指導を賜りました松井知己先生、ゼミなどを通してアドバイスを下さった研究室の皆様、そして応援いただいた多くの方々に心より感謝いたします。今回の報告では、生体情報学などで需要の多いDirichlet分布に対して、Coupling from the Past
(CFTP)を応用した新しいランダムサンプリング法を提案しました。この発表に対して、多くの方々の関心が得られたことを大変喜ばしく思います。私はマルコフ連鎖の収束スピードを理論的に算定する研究を行っています。今回用いたCFTPアルゴリズムは、マルコフ連鎖のシミュレーションを工夫することで定常分布に厳密に従うサンプリング(パーフェクトサンプリング)を実現する奇抜で画期的なアルゴリズムとして世界で注目を集めています。実際にCFTPアルゴリズムを応用するには効率的なマルコフ連鎖の設計が鍵となりますが、今回のようにうまくマルコフ連鎖を設計できたことは幸運でもあります。これからも初心を忘れず研究に勤めていきたいと思いますので、よろしくご鞭撻のほどをお願い申し上げます。